星まつり──生まれ星に感謝し、未来を祈る

本日は「星まつり」についてお話しします。
私たちは、先祖より受け継いだ尊い命をいただき、この世に生を受けました。
その証として、ご両親やご家族から名を授かります。
そして、生まれた日──誕生日は、まさに私たちの人生を司る「生まれ星」となります。
この「生まれ星」に感謝し、より良い人生を願う祈りの場が、「星まつり(星供)」 です。

星まつりとは──生まれ星を敬う祈り

古くより、星の運行と人の運命は深く結びついていると考えられてきました。
私たちは生まれた瞬間より、それぞれの星のもとに生き、その巡りの影響を受けています。
仏教では、この考え方が宿曜経などの教えに基づき、「星供養」として伝えられてきました。
星まつりは、生まれながらの星の巡りを整え、悪しき因縁を払い、幸福への道を開くための祈りです。
その年ごとの厄や障り(さわり)を取り除き、安寧を願うことで、心穏やかに過ごすことができるようになります。

星まつりでは、

  • ご自身の生まれ星を知り、祈願札を奉納する
  • ご家族やご縁のある方々の安穏を願い、供養の祈りを捧げる
  • 厄年にあたる方は、特に念入りに星供養を行い、厄除けを祈る

といったお勤めがなされます。
この機会に、ご自身の生まれ星を顧み、感謝の心とともに、より良き未来を願われますよう、おすすめ申し上げます。

節分と四季の巡り──次なる祈りへ

星まつりが行われる節分とは、本来 立春・立夏・立秋・立冬、それぞれの季節の節目にあたる日です。
古来、人々はこの節分を生活の基準とし、新たな一歩を踏み出す機会 として大切にしてきました。

「次の立夏には種をまこう」「立秋には収穫を迎えよう」
そうした自然の流れを感じながら、家族を守り、地域の安寧を願い、日々を過ごしていたのです。

こうして、私たちの祖先は節分ごとに祈りを捧げ、未来への準備を整えてきました。
そして、その心は今も変わることなく、私たちへと受け継がれています。

今年の立夏は5月15日です。
新たな季節の訪れを前に、再び手を合わせ、これからの歩みを見つめ直してはいかがでしょうか。

おわりに──巡る星に祈りを込めて

星は絶えず巡り、私たちを導いております。
それは、私たちの人生が常に新たな節目を迎え、変化し続けていることを示しているのかもしれません。
星まつりを終えた今、この先の節分にも心を寄せ、祈りを捧げてまいりましょう。
立夏、立秋、立冬と、一年の節目ごとに星の巡りを見つめ、日々の安寧を願いながら、
それぞれの人生を歩んでいくことができますように。

どうか皆さまの星が、これからも輝き続けますように。心よりお祈り申し上げます。
合掌。